サイトカイン(cytokine)とは、細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。
(以上、Wikipediaより)

スペイン風邪の例をみると、青年層の死者が多かったらしい。
普通、体力免疫力の低い子供や老人に死者が多く出ると思うのだが、スペイン風邪の場合は20代30代の青年層に死者が多かったらしい。サイトを検索してみると、免疫機能の過剰反応により白血球がサイトカインを異常に多く分泌することで肺など臓器が不全に陥る『サイトカインストーム』が原因では?という見方が有力のよう。

つまりスペイン風邪に似た配列組合せを持つであろう新型インフルエンザがパンデミックをおこした場合、青年層の感染と死者が最も多いだろう、ということだ。免疫力の強さが逆効果になる、ということ。外部から入ってきた新型インフルエンザウィルスに対して免疫機能が可能反応して、結果的に自分自身の細胞組織を攻撃して多機能不全に陥り死に至る、ということだ。

以下、サイトからの抜粋。
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サイトカインは多機能的、つまり単一のサイトカインが標的細胞の状態によって異なる効果をもたらす。例えば免疫応答に対して促進と抑制の両作用をもつサイトカインがいくつか知られている。
またサイトカインは他のサイトカインの発現を調節する働きをもち、連鎖的反応(サイトカインカスケード)を起こすことが多い。このカスケードに含まれるサイトカインとそれを産生する細胞は相互作用して複雑なサイトカインネットワークを作る。たとえば炎症応答では白血球がサイトカインを放出しそれがリンパ球を誘引して血管壁を透過させ炎症部位に誘導する。またサイトカインの遊離により、創傷治癒カスケードの引き金が引かれる。

サイトカインはまた脳卒中における血液の再還流による組織へのダメージにも関与する。さらに臨床的にはサイトカインの精神症状への影響(抑鬱)も指摘されている。
サイトカインの過剰産生(サイトカイン・ストームと呼ばれる)は致死的であり、スペイン風邪やトリインフルエンザによる死亡原因と考えられている。この場合サイトカインは免疫系による感染症への防御反応として産生されるのだが、それが過剰なレベルになると気道閉塞や多臓器不全を引き起こす(アレルギー反応と似ている)。これらの疾患では免疫系の活発な反応がサイトカインの過剰産生につながるため、若くて健康な人がかえって罹患しやすいと考えられる。
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こうなると『健康な身体をつくって新型インフルエンザウィルスに備えよう』という考え方は成り立たなくなる。